早池峰    2008年 8月 5日

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	所在 岩手県花巻市大字内川目第2地割93
	基準点コード TR15941236901		二万五千分の一地形図 早池峰山
	緯度 39°33′30.0895			経度 141°29′20.4507
	標高 1913.61 m
	選点 明治29年6月17日		設置 明治31年10月25日

県道からの早池峰山

 この三角点は、もちろん岩手県の名峰
早池峰山の山頂にあります。早池峰山は
遠野市、花巻市、川井村の三市村にまた
がっていますが、山頂の三角点の住所は、
花巻市になっています。登山道はいくつ
かありますが、主に南側の河原坊コース
と小田越コースが使用されています。こ
の日は、駐車場のある河原坊(かわらの
ぼう)から登りました。
 最初は何度か沢を徒渉しながら、樹林
帯の中を緩やかに登ります。時々山頂方
向が見えますが、山の上部は雲の中です。
沢はやがて伏流水となり、積み重なった
岩の下から流れる音だけが聞こえるよう
になりました。そして、道は東側の小さ
な尾根に上がります、ここが頭凝(こう
べごおり)で、一休みすることにしまし
た。振り返って見ると、これまで歩いて
きた道がよく見えます。何人かの登山者
の姿も見え隠れしています。
 ここから先は、森林限界を超えた岩場
の道になります。最初は緩やかだったの
ですが、すぐに下からも見えていた、壁
のように巨岩の積み重なった登りになり
ます。これがすこぶる手強い。帰りに小
田越コースから見たところでは、傾斜も
45度を超えていたようです。岩場の段
差も大きく、久しぶりに足がつりそうに
なりました。休みながら登りますが、上
を見ると、まだまだ登りが続きます。途
中に「打石」という巨大な岩頭がありま
した。これは濃霧の中を飛んでいた天狗
が、間違って頭をぶつけしまった、とい
う伝説のあるものです。この辺りの登り
が一番きつかったようです。
 まだまだ登りが続くのか、と思ってい
たところ、あれっという感じで山頂に着
きました。下から見えていた岩場の切れ
目が、山頂大地との境目だったようです。
普通なら、登って来てみたらまた新たな
登りが、という感じなのですが、この山
は正直です(?)。山頂には祠と三角点、
それに避難小屋がありました。祠の周り
には、何本もの剣が突き立てられていま
す。蔵王の熊野岳の山頂にも似たような
ものがありました。やはり昔からの信仰
の山なのでしょう。さて、登りにだいぶ
時間を使ったので、あまりのんびりして
はいられません。今回は、前夜の寝不足
がたたったのか、あまり調子が出ません
でした。そのため、4時間以上も掛かっ
てしまったのです。手早く写真を撮り、
昼食を摂って下山に掛かりました。
 帰りは、来たときとは違うコース、つ
まり小田越コースを降りることにしまし
た。避難小屋東の「御田植場」と呼ばれ
るお花畑の中の木道を通り、岩場を降り
ますが、こちらは登りの時の河原坊コー
スとは違い、とても緩やかで歩きやすい
道でした。西の方を見ると、登りの時に
通った斜面が見えますが、すさまじい急
登の連続であったことがよく分かります。
こちらを登ればよかった、と少し思いま
した。
 途中で、何人かの登ってくる人と出会
いました。「こんな時間に?」と思いま
したが、聞いてみたら、やはり今夜は山
頂の避難小屋泊まりだそうです。きっと
夜明けにはすばらしい風景が見られるの
でしょう。私もいつか同じことをやって
みたいと思いました。
 さて、道はやがて樹林帯の中に入り、
下山開始から2時間ぐらいで小田越えの
登山口に着きました。25分の舗装道路
歩き(2km半ぐらい)で、河原坊に到
着です。最後に舗装道路を歩くのは、あ
まり好きではないのですが、それでも大
満足の山行でした。
		

登った斜面(下山時撮影)

「打石」天狗がぶつかったそうです

山頂の祠と三角点、奉納された剣が立っています

三角点のアップ

下山時に振り返る山頂

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