大東山    2006年 9月 2日

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	所在 宮城県仙台市太白区秋保町馬場岳山国有林175林班イ小班
	基準点コード TR15740345201	二万五千分の一地形図 陸前川崎
	緯度 38°18′7″.7474   経度 140°31′24″.7308
	標高 1365.55m 
	選点 明治25年 8月25日
	埋標 明治25年10月 9日

1019m標高点
 この三角点は、二口山塊の主峰大東岳の
山頂にあります。山の方は「だいとうだけ」
と呼ばれていますが、点名の読みは「おお
あずまやま」です。ひょっとすると、山の
名前の方も、明治時代の初め(選点の頃)
には、「おおあずまやま」と呼ばれていた
のかもしれません。というのは、この山の
西方に小東岳(「こあずまだけ」)という
山があるからです。「大」と「小」の対の
片方だけが音読みで、もう片方が訓読みと
いうのはないと思いますし、点名の方が古
い(当時の)読み方を残しているのだろう
と思われるからです。時が経つにつれて、
大東岳の方だけが音読みで呼ばれるように
なったのではないか、と想像しています。
確証はありませんが。

 大東岳の登山口は、二口温泉近くのキャ
ンプ場の傍にあります。この辺りの地名は
「本小屋」といいます。何か由来があるの
でしょうが、そのうち調べてみようと思い
ます。この付近の登山道の案内標識では、
すべてこの「本小屋」が二口温泉付近、あ
るいは登山口を意味します。キャンプ場の
他にも整備された遊歩道や公的な施設であ
るビジターセンター、それに温泉宿なども
あり、駐車場は十分にあります。また、こ
こに至る道路は、この二口温泉までは舗装
されていますが、まもなくダートに変わり、
二口峠まで続いています。車高の高い四輪
駆動車以外の通行はおすすめできません。
しばしば通行止めになります。(二口峠〜
山寺間は舗装されています)

 さて、大東岳です。登山口から山頂まで
の標高差がおよそ1000mほどもあり、
仙台近郊の山の中では、きつい方だと思い
ます。この日は天気もよく、気温もかなり
高かったようです。
 登山口は駐車場から少し仙台方向に戻り
ます。大行沢と小行沢に架かる橋を2つ渡
ると、登山口の案内標識があり、ここにも
何台か車を停めることが出来ます。道は右
と左の両方に続いていますが、左は樋ノ沢
経由の裏コース、右は小行沢沿いに登る表
コースです。今回は表コースを登りました。
 登り始めて、しばらくは樹林帯の中の緩
やかな道です。15分くらい歩くと、道の
左側に「一合目」と刻まれた黒御影石の立
派な道標がありました。「秋保町」とある
ので、仙台市と合併前の秋保町が建てたよ
うです。道はやがて小行沢を左に見て登る
ようになります。二号目を過ぎて、そろそ
ろ三号目かな、という頃に、立石沢に着き
ます。ここはテントが数張り張れるくらい
の広場で、すぐそばを小行沢が名を変えた
立石沢が流れています。一人の中年男性の
登山者が休んでいたので、挨拶をして私も
小休止としました。ここからは、何度か小
さな沢の徒渉を繰り返して徐々に高度を上
げていきます。途中に、杉の植林地の斜面
が大崩壊しているところや、沢沿いの道が
崩れて、新しく道をつけたところなどを通
り、五号目でやっと尾根に出ます。ここは
船形連峰展望所と呼ばれていますが、樹木
に遮られてほとんど見えません。何年か前
なら見えたかもしれませんが、現在は樹木
がすっかり成長してしまっています。
 五号目を過ぎて、明るい尾根道を登ると、
やがて1019m標高点に着きます。ここ
からは山頂方向の量感のある姿を見ること
ができますが、あいにく写真を撮るのを忘
れてしまいました。まぁ、また来る理由が
できたというものです。ところで、ここに
三角点によく似た標石がありました。後で
調べたら、これが標高点のようです。こち
らは写真を撮ってきました。平坦なこぶし
平を過ぎ、東清水分岐を見送ると、いよい
よ「鼻こすり」と呼ばれる急坂になります。
およそ300m近い標高差を一気に登る、
最後の難関です。かなりの汗を絞られたこ
ろ、いつのまにか傾斜が緩み、山頂台地の
北端に到着したことがわかります。あとは
ほとんど平坦な道を200mぐらい歩けば
山頂です。
 山頂はかなり広い広場になっており、山
頂標識と三角点、それに祠と石造りの立派
な山名指示盤があります。この日はよく晴
れていて、遠くの山々もよく見えました。
また、北東と南西の方向に道が続いていて、
それぞれ面白山と樋ノ沢へと向かっていま
す。
 三角点は山頂広場の中央からやや西より
のところにありますが、二か所ほどコンク
リートで補修したあとがありました。保護
石はありません。国土地理院のWebサイ
トには、この標石が破損している、という
ような記述がありますが、大したことはあ
りません。

 三角点や山頂からの眺望を写真に撮り、
昼食を食べてゆっくり休んだ後、裏コース
を回って登山口に戻りましたが、いずれこ
のコースについても、なんらかのかたちで
紹介したいと思います。

		

九号目の道標

舟形山が見えます

山頂の様子と三角点

山名表示盤

三角点のアップ

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