三角点について
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三角点とは
 三角点は地図作成に際して、三角測量のための地上に
おける基準点です。絵画を描く場合と同様に、地図の作
成でも、全体の骨格をまず決めて、それから細部の仕上
げを行います。その全体の骨格に当たるのが、三角点を
結んだ三角点網です。

 地図の骨格ですから、三角点はそれぞれ位置が正確に
測定されています。この位置(正しくは2点間の距離)
を測定するのに用いられるのが、三角測量です。三角形
の一辺の長さと二つの角の大きさを知ることができれば、
残りの2辺の長さを三角関数によって計算できます。そ
のための三角形の頂点として設置されたのが三角点とい
うわけです。

三角測量
 具体的には、最初に精密に距離を測った直線を設定し
ました。その両端が最初の三角点(AとBとします)と
いうことになります。そして、この二つの三角点から見
通しのよいところに(できるだけ正三角形になるように
して)、次の三角点(Cとします)を設置します。これ
で三角形ABCができました。これでおわかりかと思い
ますが、∠CABと∠CBAの大きさを測れば、辺AC
と辺BCの長さ、つまり三角点Cの位置を求めることが
できます。あとは連鎖的に次々に三角点を設置していっ
て、日本全土をカバーすれば、地図の骨格が出来上がり
ます。ただし、一本の基線から日本全国に連鎖すると、
周辺部の誤差が大きくなるので、複数の基線が設置され
ました。

 三角点の標石は、断面が正方形の花崗岩製の柱で、上
面に十字が刻んであります。この十字の中心が本当の三
角点ということになります。実際に測量する時は、この
三角点標石の上に木製の櫓を建てて行います。経緯儀な
どの測量機器を使いますが、あくまでも目視ですから、
見通しの良い時でなければ測量は不可能です。そのため、
かつては何日も天候待ちをしたこともあったようです。

三角点の種類
 先に、三角点網が地図の骨格になる、というようなこ
とをことを書きましたが、これも最初から細かいものを
作り上げていったわけではありません。大まかなところ
をまず作って、段々に精細なものにしていったのです。
最も大まかな(つまり基本となる)三角点網を構成する
のが、一等三角点本点で、これはおよそ一辺が45km
の三角形を作るように配置されています。次に同じくお
よそ25km間隔になるように一等三角点の補点が置か
れました。以下、二等三角点が8〜10km、三等点が
3〜4km、四等が1.5〜2km間隔となっています。
那、現在では本点と補点を区別せず、どちらも一等三角
点となっています。

 現在、三角点の設置数は次の通りです。
	一等	    972
	二等	  5,056
	三等	 32,640
	四等	 65,414
	合計	104,082

その他の基準点
 一等から四等までの三角点のほかにも、いくつかの基
準点があります。

	図根点
	多角点
	水準点
	電子基準点
	・・・

 これらについても、いずれこのサイトでも取り上げて
いきたいと考えています。