秣岳    2007年10月 6日

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	所在 秋田県湯沢市
	基準点コード TR35840365001	二万五千分の一地形図名 栗駒山
	緯度 38°58′05.6303		経度 140°44′51.1046
	標高 1424.03 m
	※点の記がないため、選点年月日や詳しい所在地住所などは分かりません。


天狗平付近から栗駒山頂


展望岩頭からの絶景、左の尖ったピークが秣岳


御駒ヶ岳山頂にあった図根点


秣岳の東隣のピーク、頂上は岩山です


しろがね草原からの秣岳


秣岳の中腹から栗駒山頂方向


山頂碑と三角点


三角点のアップ
<概要>
 三等三角点「秣岳」のある秣岳は、栗駒
山本峰から西北方向に伸びる尾根の、西北
端にあるピークです。標高は1424mで、
栗駒山本峰と比べてもずっと低いのですが、
三角形のよく目立つ姿をしています。
 登路は栗駒道路の須川湖のやや秋田県寄
りのところに登山口がありますが、須川温
泉からの須川コースを登り、天狗平の須川
分岐から西に向かう天馬尾根コースを歩く
ことをおすすめします。天気さえよければ、
絶景を楽しみながらの爽快な尾根歩きがで
きます。
 起点となる須川温泉には、一関ICで東
北自動車道を降り、そのまま国道342号
線を西進して、1時間ほどで着きます。道
幅の狭いところがかなりあり、定期バスが
通っていることが信じられないほどです。

<須川温泉から天狗平まで>
 須川温泉の「須川高原温泉」の建物の脇
を、温泉のお湯が流れる堀(足湯もありま
す)に沿うように登っていくと、間もなく
遊歩道に出ます。最初のうちはコンクリー
トの階段が続きますが、やがて普通の登山
道になります。遊歩道の分岐が所々にあり
ますが、道標が整備されているので、道を
間違えることは無いでしょう。20分ほど
で名残ヶ原湿原に着きます。ここは季節が
良ければお花畑になるところです。木道が
設置されており、温泉の湯治客なども、こ
のあたりまでは散策に来るようです。
 名残ヶ原を後にして、小さな尾根を越え
るように道は続きます。自然観察路コース
(産沼コース)との分岐を見送り、沢を一
つ越えると、地獄谷に沿って緩やかに登る
ようになります。地獄谷は、火山性ガスが
噴出していて、植物が育ちません。人間に
とっても有害であるため、柵を設けて立ち
入りが禁止されています。確かに亜硫酸ガ
スが臭います。この谷を抜けると昭和湖で
す。名残が原から30分ぐらいです。昭和
19年の爆発で、このあたりの湿原を吹き
飛ばした後にできた火口湖で、水は青みが
かった乳白色をしています。ここは絶好の
休憩ポイントで、この日も多くの登山者が
休んでいました。湖の右手近くには紅葉の
始まった中央火口丘である剣岳が見えます。
 昭和湖からは、栗駒山の本峰と御駒ヶ岳
(本峰の西隣の1573mのピーク)との
鞍部に一直線に登ります。さほどの急登は
ありませんし、木製(擬木製?)の階段が
設置されていて、歩きやすくはなっていま
すが、雨後には泥溝状になるでしょう。登
りながら左手を見ると、見事に色づいた栗
駒山本峰の北斜面が目に入ります。この日
は全くガスもなく、すばらしい眺めでした。
やがて傾斜が緩むと、天狗平(須川分岐)
に到着です。昭和湖から40〜50分ぐら
いでしょうか。ここは十字路になっていて、
左が栗駒山山頂、直進は御室や虚空蔵山、
湯浜方面、右が秣岳への道です。山頂方向
を見ると、見事な紅葉が目に入ります。須
川温泉付近はまだ緑一色だったのですが、
山頂付近は今が見ごろでした。上空をヘリ
コプターが飛んでいました。どうやら新聞
社の取材のようです。(紅葉した栗駒山山
頂の写真が、翌朝の河北新報の紙面を飾り
ました。また、東北放送のアナウンサーが
山頂にいて、中継放送もやっていたそうで
す。)

<天馬尾根コース>
 私はこの日は山頂に行くつもりは無く、
天狗平から進路を右にとり、天馬尾根コー
スを進みました。まずは展望岩頭を目指し
ます。これは御駒ヶ岳の北壁の岩場になっ
ているところで、分岐から10分ほどで着
きます。すばらしい眺望が得られるところ
なのですが、この日は風が強くて、立ち止
まっていられず通過しました。ここから緩
くわずかに登ると御駒ヶ岳の山頂なのです
が、ここに図根点があります。展望岩頭よ
りもだいぶ風が弱いので、少し休憩しまし
た。
 ここからはしろがね草原を目指して、一
気に降ります。標高差は100mぐらいで
しょうか。さほど急なところはありません
が、結構道が荒れていて、段差が大きなと
ころがあっていたり、泥溝状になっていた
りします。それでも長くは続かず、やがて
しろがね草原と呼ばれる尾根上の平地に出
ます。ここは初夏にはお花畑になるところ
で、木道が設置してあります。行く手には
秣岳と、それに続く尾根が見えます。途中
には小さなピークがいくつかあります。
 それにしても、この天馬尾根コースはす
ばらしい道です。草原はすっかり枯れて、
草紅葉になっていますが、それだけに黄金
の海のような趣があります。小さなピーク
が海に浮かぶ島のように見えます。特に最
後のピーク(秣岳の一つ手前)は、頂上部
が岩稜になっていて、眺望もよく、大勢の
登山者が休憩していました。このピークを
越すと、また草原が広がっていますが、す
ぐそこに秣岳が見えます。この登りは緩く
幅広い道で、道の端に泥炭層が露出してい
るところがあります。高層湿原があちこち
にある栗駒連峰には、泥炭地もまた数多く
存在するようです。
 さて、程なく秣岳の山頂に到着しますが、
こちらは栗駒山本峰と違って、10人ぐら
いで一杯になりそうな狭いスペースしかあ
りませんが、350度の大展望が得られま
す。私も昼食の後、しばらくここでボケッ
としていました。

<下山>
 秣岳山頂から西側に降りる道があります。
樹林帯の中を、栗駒道路の須川湖の近くに
降りることができますが、舗装道路を須川
温泉の駐車場まで標高差100mを歩かな
ければなりません。約3km、40分ほど
ですが、逆コースの方が良いかもしれませ
ん。あるいは、須川駐車場に自転車でもデ
ポしておく方法もあります。

		

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