坂元沢    2009年10月10日

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	所在 宮城県柴田郡川崎町大字今宿字小屋沢山国有林209ろ1林小班
	基準点コード TR45740236901	二万五千分の一地形図名 笹谷峠
	緯度 38°13′35.4561 		経度 140°29′30.7191 
	標高 731.94 m 
	選点 平成19年8月21日	埋標 平成19年10月26日

笹谷古道入口
 国道286号線は、笹谷峠を経由して仙
台と山形を結んでいます。笹谷峠は蔵王連
峰と二口山塊の鞍部にあり、標高はおよそ
900mほどです。この峠は古くから太平
洋側と日本海側を結ぶ交通の要所であり、
すでに平安時代には道が開かれていたそう
です。
 現在の国道286号線は、古来からの道
とは別のルートを通っています。明治時代
になって、馬車も通れるように隣の尾根に
傾斜を小さくするために曲がりくねった道
が開かれましたが、これが現在の国道です。
車の離合が困難なほど狭いところもありま
すが、全線が舗装されており、冬季以外は
仙台から山形への通り抜けが可能です。と
は言え、現在は峠の下を高速道路(山形道)
が貫通していて、普通はこちらを通ります。
 古来からの道は、今でも遊歩道として保
存・整備されており、宮城県川崎町の笹谷
地区から、山形県山形市の関沢地区まで、
通して歩くことができます。山形県側は現
国道を串刺しにするように、そして宮城県
側は現国道のひとつ南側の尾根を通ってい
ます。

 この三角点は、笹谷峠に通じる古来から
の道(笹谷古道)の途中にあります。先日
国土地理院のサイトを見ていたら、以前に
は無かったはずのところに三角点があるの
に気付きました。この「坂元沢」と、笹谷
峠にある「八丁平」です。点の記を見てみ
たら、平成19年の設置だということが分
かりました。なんと、私が三角点の探訪を
始めてからできた、新しい三角点です。四
等ですが、これはすぐに見て見なければな
らないと思い、早速出かけました。
 以前笹谷古道を歩いた時に、笹谷集落の
少し先にある入口の脇に、川崎町の水道施
設があり、そこに車を止めるスペースがあ
るのを知っていたので、この日もそこに車
を置いて歩き出しました。大きくカーブす
る舗装道路を少し登ると、間もなく舗装が
切れてまっすぐに続く林道になりますが、
すぐ右手に笹谷古道入口という標識があり
ます。そこを右折すると杉林の中の登りに
なります。これが平安時代から使われてき
た笹谷峠に通じる道です。道はやがて、広
葉樹の樹林帯の中を尾根にそってすすみま
す。あちこちにいろいろな供養塔らしきも
のがあり、歴史の古さを思わされます。
 点の記によれば、笹谷古道の入り口から
約800m、30分くらい歩いたところに
あるとのことなので、地形図を見ながら、
この辺りだろうと見当つけて周囲を探しま
した。点の記の図には、道が切り通しのよ
うになっているところのようなので、地形
を確かめて、またGPSで緯度経度を見な
がら探しました。見つけにくいかもしれな
いと思っていたのですが、案外簡単に見つ
かりました。道の峠に向かって右側の小高
い所にありました。道からは見えませんが、
登ってみると小さな草地になっており、例
の白い標柱がよく目立ちました。あとは写
真を撮って車に戻り笹谷峠にあるもうひと
つの新三角点「八丁平」探しに行くだけで
す。
 ところで、この三角点の標石は、見慣れ
た花崗岩ではなく、コンクリート製で、上
面には丸い金属プレートがはめ込んであり、
文字が刻まれています。新しく設置された
三角点は、こういうものが多いようです。

		

笹谷古道の様子

三角点のある草地、右側の下が道です

三角点と標柱

三角点のアップ

笹谷峠にある六地蔵のひとつ

有耶無耶の関跡

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