まだ不完全なビゼー全作品リスト


 1838年10月25日にパリのモンマルトルで生まれました。父のアドルフは声楽教師で、
母のエメもピアノがかなりうまかったそうです。かなり音楽的な家庭に生まれた、と言えるで
しょう。この両親から、ビゼーは4歳の時から楽譜の読み方を教えられたそうです。その成果
があったのでしょうか、10歳の時(1848年10月9日)には、パリ音学院への特例入学
が認められました。
 1857年、カンタータ『クロヴィスとクロチルド』でローマ大賞を獲得し、3年間ローマ
に留学。また、同じ年、オッフェンバックの企画したコンクールの応募下「ミラクル博士」が
第1席となりました。ローマ留学中のビゼーは、奨学金を受ける代わりに義務として課された
次作の作曲に悩まされ、あまり快適に過ごしたわけではなかったようです。
 1860年にパリに戻ったビゼーは奨学金の受給も終わり、かなり苦しい生活を余儀なくさ
れました。こんな中で生まれたのが、オペラ「真珠採り(1863年)と「美しいパース(ペ
ルト)の娘」です。この2つの作品、特に前者はビゼーの出世作とされています。
 パリでの暮らしは楽ではなかったばかりか、生来の病弱で、心臓リュウマチの発作に度々悩
まされました。そんな中で、1872年に、オペラ「ジャミレ」やドーデの芝居「アルルの女」
の付随音楽(27曲)を作曲しました。また、1873年から翌年にかけて、メリメの原作に
よるオペラ「カルメン」をオペラ・コミック座の上演用に作曲しました。この作品の初演は、
いくつかのトラブルもあり、結局は失敗に終わりました。
 その後、ビゼーは静養の意味もあってパリ郊外に移り住みましたが、ずっと持病のリューマ
チに苦しんで、1775年6月3日に心臓発作を起こして永眠しました。この日は6回目の結
婚記念日だったそうです。また、わずか36歳でした。ビゼーの死後、彼の最後の作品である
「カルメン」は、もともとはセリフのあるオペラ・コミック形式だったのですが、親友のエル
ネスト・ギローにより、レチタティーヴォのあるグランド・オペラに改編して上演され、大成
功をおさめました。
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曲種別目次


    歌劇 劇付音楽 管弦楽曲 ピアノ曲 合唱曲 歌曲

歌劇

    ミラクル博士(1856) ※1857年パリで初演、好評であった。 ※オッフェンバックの企画したコンクールの応募作品、第1席(もう一人の作品と分け合った)を獲得した。 ※台本:L.バトゥ、L.アレヴィ     ドン=プロコピオ(2幕、オペラ・ブッファ)(1858-59) ※1906年3月6日初演、台本:C.カンビアッジョ     真珠とり(3幕4場)(1862-63) ※1863年9月30日または29日初演(パリ)、台本:M.カレ、E.コルモン ※真珠とりたちの安全を祈るために尼僧となったレイラは、昔の恋人ナディールと再会する。  再び恋に落ちた二人は、尼僧の戒律を破ったとして捕らえられ、火刑に処せられようとす  るが、かつてレイラに命を救われたズルガの献身によって逃亡する。     イワン雷帝(5幕、但し5幕は未完)(1865) ※1946年初演(ヴュルテンベルク)、台本:A.ルロワ、H.トリアノン ※1951年にビュッセル編の「イワン4世」の初演が行われた。     美しきパース(ペルト)の娘(4幕、オペラ・コミック)(1866) ※台本:スコットランドの作家ウォルター・スコットの原作により、V.ドゥ・サン=ジョルジュとJ.アドニス ※14世紀のスコットランドの内乱を背景にしたパースの娘をめぐる物語。 ※第2幕で主人公スミスの歌うセレナーデは、NHKの「みんなの歌」の「小さな木の実」の原曲。     カルメン(4幕、オペラ・コミック、後正歌劇に改訂)(1873-74)     医者の家(1幕)     パリジーナ     エスメラルダ     ドン・キホーテ     トゥーレの王の盃(1968〜69)   ※3幕、未完。台本:ガレ,ブロー     ジャミレー   ※1872年5月12日初演。台本:ガレ     ソル・シ・レ・ピフ・パン     ドン・ロドリーグ   ※5幕、未完。台本:ガレ
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付随音楽

    アルルの女(全27曲)(1872)
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管弦楽曲

    組曲「ローマ」(1860-61,1866-68,改訂71)     アルルの女第1組曲(1872)       1 前奏曲       2 メヌエット       3 アダージェット       4 カリオン     アルルの女第2組曲(1876?)   ※E.ギロー編       1 パストラール       2 間奏曲       3 メヌエット(「美しきパースの娘」から)       4 ファランドール
    交響曲第1番ハ長調(1855)     小組曲(ピアノ曲「子供の遊び」から編曲)(1873)       1 行進曲       2 「子守歌       3 即興曲       4 二重奏       5 ギャロップ     序曲「祖国」(1873)
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ピアノ曲

    子供の遊びop.22(1871)       1 ぶらんこ(夢想)       2 こま回し(即興曲)       3 お人形(子守歌)       4 木馬(スケルツォ)       5 羽根突き(幻想曲)       6 ラッパと太鼓(行進曲)       7 シャボン玉(ロンディーノ)       8 鬼ごっこ(スケッチ)       9 目隠し鬼(夜想曲)       10 馬跳び(奇想曲)       11 ままごと(二重奏)       12 舞踏会(ギャロップ)     夜想曲第1番ヘ長調(1854)     夜想曲第2番ニ長調(1868)     3つの音楽的スケッチ(1858)       1 トルコ風ロンド       2 セレナード       3 奇想曲     ラインの歌(1865)       1 暁       2 出発       3 夢想       4 ジプシー女       5 秘密       6 帰還     演奏会用半音階的変奏曲(1868)
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合唱曲

    カンタータ「クロヴィスとクロチルド」(1856)       ※詞はA.ビュリオン、ローマ大賞第1依     テ・デウム(1858)     交響的頌歌「ヴァスコ=ダ=ガマ(1863)
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歌曲

    古い歌(1865?)     四月の歌(1866?)     冬のあとに(1866)     静かな海(1866)     アラビアの女主人の別れ(1866)     アルバムの綴り(1866)       1 ひとつの花に       2 スゾンへの別れ       3 ロンサールのソネット       4 ギター       5 愛のバラ       6 こおろぎ     私の命には秘密がある(1868)     パストラール(1868)     気遣いの歌(1868)     てんとう虫(1868)     不在(?)     愛の歌(?)     セレナード「おお私の眠るとき」(1868)     朝(?)     恋を恋する(?)
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