芥川也寸志  弦楽のための三楽章「トリプティーク」

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 1楽章  アレグロ、小規模なロンド形式
 2楽章  アンダンテ、3部形式による子守歌
 3楽章  プレスト、ロンド形式によるフィナーレ

 「トリプティーク」とは、教会の祭壇などに見られる三連画(正面と左右の両扉)のことだそうです。独
立性と統一性を持った三楽章ということだと思います。
 この曲は、NHK交響楽団の欧米演奏旅行に際して、指揮者のクルト・ヴェスからの委嘱によって作曲さ
れた(1953年)ものだそうで、初演は、ヴェス指揮のニューヨーク・フィルによって行われました。2
楽章や3楽章には日本の伝統音楽の手法も使われていますが、全編を通して、なんとなく粋な雰囲気がただ
よい、爽快な気分にしてくれます。ノック・ザ・ボディ(弦楽器の胴を叩く)も効果的です。
 私が所有しているこの曲の録音は、次の2つだけです。

  1 円光寺雅彦/仙台フィルハーモニー管弦楽団 LiveNotes WWCC-7201 1989年5月27日 東京・サントリーホール録音
  2 芥川也寸志/新交響楽団 Fontec FOCD3208 1986年10月30日 東京文化会館録音

 やはり作曲者自身の演奏ということで、2の方をお勧めします。