外山雄三  管弦楽のためのラプソディ

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 この曲は、1960年のNHK交響楽団の欧米楽旅に際して、指揮者として同行した作曲者が、アンコールピース
として作曲されたものです。NHK交響楽団の初めての海外演奏旅行ということで、日本の伝統音楽の素材を多用し
たものになりました。
 曲は3つの部分に分けられます。第1の部分では、「あんたがたどこさ」「ソーラン節」「串本節」「炭鉱節」な
どのおなじみのメロディーが次々に登場します(「フックト・オン・〜」状態です)。ある部分では対位法的に展開
したりします。次の第2部は「信濃追分」によるゆったりとした部分です。最後の第3部は、八木節によるにぎやか
な部分です。ここでは、拍子木、うちわだいこ、締太鼓、チャンチキなどの日本の打楽器が効果的に使われています。
 私が所有しているこの曲の録音は、次の4種類です。

 1 外山雄三/日本フィルハーモニー交響楽団 Fontec FOCD3443 1998年4月19日東京・サントリーホール録音(ライヴ)
 2 岩城宏之/NHK交響楽団 キング KICC 251 1961年1月東京・文京公会堂録音
 3 手塚幸紀/読売日本交響楽団 ビクター VICC-23010 1986年7月16日 東京・練馬文化センター録音
 4 尾高忠明/読売日本交響楽団 デンオン COCO-78446 1980年6月11日 読売日本交響楽団リハーサルホール

 以上のうち、1は作曲者自身の演奏なので、推薦したいところなのですが、どうも私は2のN響盤の方が肌に合っ
ているようです。なにしろ40年前の録音ということで、あまりクリアな音ではありませんし、バランスもやや狂っ
ているような感じを受けますが、リズムの切れが抜群です。特に、第3部の八木節に基づいた部分では、爽快な演奏
が聴けます。