ショパン 幻想即興曲嬰ハ短調 op.66



HOME  My Favoritesへ  作品一覧へ

 この曲は、遺作つまり生前には出版されなかった作品なのですが、なぜか作品番
号が付いています。さらに、「即興曲第4番」と表記されることもあります。何と
も不思議なことですが、これはショパンの友人のフォンタナが、ショパンの死後遺
品の中からオリジナルの楽譜を見付けて出版したものだそうです。
 「即興曲」はショパンに3曲あるわけですが、この「幻想即興曲」はそれらより
もずっと早い1834年に作曲されています。それにもかかわらず死ぬまで出版さ
れなかったのには、何か理由があるはずです。というわけで、様々な憶測がなされ
ていますが、よく言われるのは、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番嬰ハ短調
とのかかわりです。聴いていただけではなかなか気付かないのですが、幻想即興曲
のある部分に、「月光」ソナタのコーダの部分とそっくりの音型があり、その事を
ショパンが気にして出版しなかった、というものです。ことの真相は分かりません
が、よく似た部分があることは確かです。
 さて、この曲はショパンの作品の中に於ける位置についてはともかく(必ずしも
高く評価されてはいません)、人気度からは、トップクラスと言えるでしょう。特
にピアノ学習初心者にとっては、弾いてみたい曲の代表だそうです。中間部の甘美
なメロディは、よく知られています。

        この曲を聴く