ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調 作品92


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 ベートーヴェンがこの交響曲に着手したのは、1811年の晩秋ということになっています。完成は1813年の初
頭になります(ベートーヴェン43才)。前作の第5番と第6番が世に出てから3年あまりが過ぎており、この間にピ
アノ協奏曲第5番をはじめとして室内楽やピアノ曲、それに劇音楽のジャンルで傑作を残しています。この曲の初演は、
1813年12月8日にウィーン大学の講堂でハーナウ戦役傷病兵のための慈善演奏会で、ベートーヴェン自身の指揮
で行われました。
 ベートーヴェンの作品は、創作史的にが前期、中期、それに後期の3つに区分するのが一般的です(本当はもっと細
かく分けた方がよいように思いますが)。季節をあてはめると、それぞれ春、夏、秋ということになると思います(あ
くまでも私のかってなイメージです。あまり深く追求しないように)。この交響曲は、もちろん中期の作品になるわけ
ですが、曲から受けるイメージは、まぎれもなく秋です。それも、寂しい秋ではなく、黄金の秋です。夏を過ぎて豊か
に実った秋を連想します。あのR.ワグナーが、この曲について、「舞踏の聖化」と言ったことは有名ですが、確かに
このダイナミックな生命力の充溢は特筆ものだと思います。

 私の所有する録音は次の通りです。

 1 ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
      DG POCG-2708 1972年ウィーン録音

 2 アバド/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
      DG F32G,20202 1987年2月ウィーン録音

 3 セル/クリーヴランド管弦楽団
      ソニー SBK 48 158 1966年10月29日クリーヴランド録音

 4 ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団
      フィリップス 420,228-2 1987年アムステルダム録音

 5 C.クライバー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
      DG POCG-95261976年1月ウィーン録音

 6 ケンペ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
      セラフィム TOCE-7104 1971年12月ミュンヘン録音

 7 フリッチャイ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
      DG POCG-3087 1957年録音(録音場所記載無し)

 8 バーンスタイン/ボストン交響楽団
      DG POCG-30003 1990年8月タングルウッド録音

 9 リスト編曲ピアノ版 シプリアン・カツァリス(pf)
      テルデック 4509-97956-2 1984年8月ベルリン録音

 いつのまにか、結構買っていたようです。お勧めは、ちょっと絞るのが難しいのですが、2のアバド盤と7のフリッ
チャイ盤です。
 この小文を書くために、私の音楽データベース(大げさですね)を検索したら、私が所有するベートーヴェンの交響
曲の録音の枚数は、次の通りでした(ピアノ版を含む)。

  第1番    6
  第2番    6
  第3番   12
  第4番    5
  第5番   10
  第6番    9
  第7番    9
  第8番    6
  第9番   30

 あらためて確認してみると、第3番「エロイカ」と第9が多いのは当然という感じですが、第8番が少ないのは意
外に思いました。